こんにちは、ケアマネの麦マネです。
介護施設に入所を考えたときに、こんな悩みがでてきます。
『見学って行ったほうがいい?』『予約はいるの?』『何を聞けばよいかわからない』
介護施設に入所するなんて、日常的なことではないので、何から手をつければよいのか分かりませんよね。
私はケアマネとして施設見学は必須だと考えます。
もちろん、コロナ禍で施設見学は難しくなりましたが、なにも知らず見らずで介護施設を選べば、かならず後悔します。
有料老人ホームで相談員をやっていた筆者は『ここを聞いてほしい』『ここはちょっと聞かれたらまずい』そんなふうに考えながら、見学案内をやっていました。
リアル体験なので、施設見学を検討している方の参考になるでしょう。
※当サイトは、アフィリエイトプログラムに参加しています。記事内容は公平さを心がけています。
介護施設に見学にいくべき理由
- 心構えができる
- 失敗を防げる
介護施設に入所するということは、初めてのことで不安が大きいでしょう。
見学はそんな不安を少しでも解消してくれる手段です。
心構えができる
介護施設という場所は、戦前戦後に生まれた高齢者は、決してよいイメージばかりではありません。
いわゆる『姥捨て山』というイメージが強いのです。
自分の家があるのに、何で入所するんだ!
自由に生活できない!
イメージの転換は難しいかもしれませんが、現代の介護施設を見てもらうことは入所への第1歩です。
そして家族も不安がいっぱいです。
父(母)は笑って暮らせるのか?
家族はどんな支援をやればよい?
人から聞いた情報も大事だけで、自分の目で確認すれば納得ができます。
入所者も家族も、介護施設の見学をすることで心構えができます。
失敗を防げる
入所の失敗を防ぐために、介護施設の見学は必須です。
入所したら一生でられない…
決してそんなわけではありません。
だけど、介護施設を引っ越しは、何回もやることではありません。
- 引っ越しのたびに敷金や労力がかかる
- 高齢者は環境の変化についていけない
一生暮らせる『住まい』を見つけて、信頼できるスタッフから看取ってもらう!
これくらい『ドンっ』と構えて生活できる介護施設を見つけるためにも、見学は大事なことです。
ちなみに私の意見では、介護施設の引っ越しは2回までです!
【1回目】有料老人ホームなどの民間施設へ入所
【2回目】特別養護老人ホームなどの公的な施設への入所
これ以上は無意味です。
介護施設へ見学にいく手順
- 施設入所の話し合いをする
- 見学の予約
- 持ち物の準備
ここでは介護施設へ見学にいくまでの手順を解説していきます。
施設入所の話し合いをする
介護施設の話は、どこかうしろめたく、後回しにしたい話題です。
追い出しているように思われそうで、親に言いにくい…
私が主介護者だけど、言える立場じゃない…
介護施設…分かってはいるけど、認めたくない…
それぞれの想いを口にするのは、とても心が痛い内容です。
直球勝負よりも、周りから攻め落とす感じでいきましょう!
- 正月やお盆など、家族が集まるときに話をする
- 担当ケアマネに切り出してもらう
そして、感情的な面では、ここが一番の難題です。
逆にいえば、話し合いがもてれば、入所までかなり前進したと言えます。
見学の予約
見学といわれても、どこに介護施設があるのかも分からないよ。
検索サイトを使えば全国の介護施設から探すことができます。
おすすめはLIFULL介護です。
- 全国38000件以上の介護施設
- 見学の予約もできる
- 自分にあった介護施設を選んでもらえる
すべて無料だからケアマネも使っています。
LIFULL介護の使い方はこちらにまとめています。
1箇所の見学では、相場観や雰囲気が比べれられません。
最低でも2箇所は見比べるようにしましょう。
持ち物の準備
- パンフレット
- ボールペン
- メモ帳
- メジャー(収納タンスなどの幅を確認)
- カメラ(必ず施設側に確認して撮影)
- 介護保険被保険者証※
- 介護保険負担割合証※
- 印鑑※
※その場で入所予約をすることも考えられるため。
事前準備をしっかりやっておけば、複数の施設と比べやすいですね。
パンフレットは介護施設でもらえないの?
事前に取り寄せておけば、聞きたいことを整理しておけます。
LIFULL介護で取り寄せができます。
質問するポイントをまとめました
見学にいっても何を聞けばよいのか分からない…
それは、どのような生活になるの想像ができないからです。
私はいろんな介護施設を見てきました。
だから、『これは聞いたほうがよい』というポイントはお任せください。
見学を同行するときは、家族に代わって質問することもあります。
入所後に『えっ?』『そうなの?』とならないように、大事な質問をまとめましたので解説します。
- 利用料金
- 往診の有無
- 外出や外泊は可能か
- 面会はいつでもよいか
- 洗濯は誰がする?日用品の買い出しは?
- 物忘れや介護度が上がったときは退去するのか?
- 家族が最低限やらなければいけないこと
- 持ってくる持ち物
A4サイズで作成しましたので、よければ印刷してもって行ってください。
利用料金
- 敷金はいくらなのか?
- 介護保険の費用まで入れて、毎月のMAX金額は?
パンフレットには食費と部屋代はわかりやすく書いてあります。
だけど、個別の項目はバラバラに書いてあるので、結局1ヶ月いくらかかるのか分かりません。
敷金がいくら必要なのか、1ヶ月にいくら必要なのかを確認します。
往診の有無
- 往診があるのか
- 通院は誰が付き添うのか
高齢者にとって、病院は離せない存在です。
とはいえ、一人で通院もできないし、家族が付き添うのも大変。
ほとんどの施設は『協力医療機関』というものを設けていますので、往診にきてもらえたら、通院という手間が省けます。
私は昔から通っている病院の先生がいいんだけど…
有料でも施設スタッフに付き添ってもらえれば、通院のために家族が時間を作らなくてもよいですね。
外出や外泊は可能か
『まだ歩けるうちは、たまには家に連れて帰りたい』
『温泉に連れていきたい』
自宅に帰ったり、家族との時間を過ごすことは入所者の楽しみです。
それを目標にリハビリを頑張る人もいます。
インフルエンザが流行っているから、ダメ!
外泊はいつでもよいですよ。自己責任のもとで…
こんなことを言われたら、とても外出に連れ出すことができません。
残りの人生、外出や外泊がいつまでできるか分かりません。
外出外泊は親孝行のチャンスです。
外出や外泊の自由度をしっかり確認しておきましょう。
面会はいつでもよいか
仕事が終わって面会にいく人も多いでしょう。
面会は9:00~18:00までにお願いします。
早っ!仕事が18:00までですが…
少し遅れても大丈夫ですよ。
そんなこと言われても、面会って継続的にやるものです。
面会に行くたびに、施設の嫌そうな視線に耐えれますか?
面会って気楽に会いにいくものです。
ライフスタイルにあった面会時間であるかを確認しておきましょう。
洗濯は誰がする?日用品の買い出しは?
この役割を誰がやるかによって、家族の支援は大きく変わります。
かなり重要です!少し深く解説します!
洗濯の選択肢
- 家族
- 施設スタッフか外部の業者
- 入所者
家族が洗濯するのであれば、週2回は洗濯物を取りにいく必要があります。
面会にくるなら、別にいいじゃん!
確かにそうですが、『面会』と『洗濯物取り』は目的が違います。
時間に余裕があれば問題ありませんが、そんな家族ばかりではありません。
『洗濯物取り』が目的となり、『面会』は後付け、バタバタ面会になりがちです。
逆に施設スタッフや外注で洗濯ができれば、家族は洗濯のことを全く気にしなくて済みます。
衛生の面から見ても、失禁などで汚れた衣類を、家族が来るまで置いておくのもどうでしょう??
もちろん、介護保険とは関係がないので、費用がかかるかもしれません。
しかし、洗濯をやらなくてよければ、家族の負担はかなり減ります。
依頼する、しないに関わらず、洗濯の役割分担はしっかり確認しておきましょう。
もちろん、入所者が自分で洗濯するのもありです。
元気なうちは自分でコインランドリーで洗濯するのは、とても良いことですね。
生活リハビリになります。
日用品の買い出し
オムツやティッシュなどの日用品は、誰が買うのでしょう?
基本は家族の役割です。
しかし様々な事情で、買い物できない事情もあります。
そんなときは買い物代行や預り金などで施設で管理してもらえれば、家族の負担は減ります。
繰り返しになりますが、『洗濯と日用品の買い出し』は、かなり重要です。
例え、有料であっても、どこまで対応してもらえるか、しっかり確認が必要です。
いまは必要なくても、将来的に、一時的に必要になることがあるかもしれません。
物忘れや介護度が上がったときは退去するのか?
今は要支援レベルでも、何年か先に寝たきりになって、
うちの施設は要介護3以上は対応できません…別の施設を…
なんて言われたらどうします!?
また施設を探さなければいけません。
『うちは最期まで大丈夫』とか『系列グループへ紹介』など、決して見捨てられない答えがほしくありませんか?
入所時に、将来のことがある程度の道筋が立っていれば安心です。
逆に『ケアハウス』や『老人保健施設』は制度上、最期まで過ごせる施設ではないことは知っておいてください。
家族が最低限やらなければいけないこと
家族によっては、支援したくでもできない、支援したくない、など個別な事情があります。
- 遠方に住んでいる
- 家族関係が元より悪い
個別の事情のもとで、家族が最低限やらなければいけないことは確認しておきましょう。
持ってくる持ち物
何を持ち込めば生活に困らないのかを確認します。
他の入所者がどのような物を持ち込んでいるか参考にするのもよいです。
- 衣類の枚数
- テレビ
- 仏壇
- 靴など
生活しながら徐々に増やすのはアリですが、入所時に必要なものは確認しておきましょう。
そして収納にも限りがあるので、見学時はメジャーとカメラを使って、室内の模様替えの見立てましょう。
【コロナ】介護施設の見学は?
ここまで、介護施設の見学を説明してきました。
しかし、コロナが流行ってから見学の様子も大きく変わりました。
元も子もないことを言わないでおくれよ…
見学の方法は変わっても、見学の目的は変わりません。
コロナ前までは介護施設の見学は『いつでも自由にどうぞ』のスタンスでした。
ところが今は…
コロナ後の介護施設の見学
見学できるかは施設の方針によります。
- 見学できても1階ロビーまで
- 部屋や共有スペースには入れない
これって施設見学…??
とはいえ、これが現状です。
ちなみに面会も同じような状況です…。
今できる最善策は?
- パンフレットを取り寄せる
- オンライン面会など新しい見学
- 電話などで質問
介護施設も、見学に変わる情報提供を模索しています。
施設側も入所者を集めたいので、長電話であろうと対応してくれます。
とにかく従来の見学はできないので、リアル見学以外の方法で情報を収集するしかありません。
まとめ
介護施設へ入所を考えているのであれば、見学にいくべきです。
例えコロナであっても見学に代わる情報収集をやらなければ、必ず後悔します。
この記事を最後まで読んだので、何を聞けばよいのかも、バッチリ理解できたはずです。
ケアマネが作成した『質問シート』、ぜひ活用してください!
やるしかありません!