有料老人ホームの費用が増えている。
費用を払えなくなったら老人ホームを出なきゃならないのだろうか?
こんにちは、ケアマネの麦マネです。
老人ホームの費用は決して安くありません。
とくに親の年金が、国民年金だけならば、かなりきついですよね。足りない分を子供たちで手出しすると言っても、その子供たちも年金生活に入ったばかりの世代です。
学費、結婚、まだままお金がかかる時期に、親の介護費用の手出しをするのは家計のピンチです。
この記事を読むことで老人ホームの費用について、悩みを解決することができます。特に手出しをしている家族の方には重要な内容となっています。
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老人ホームの費用が払えなくなる原因
老人ホームに入所したときの試算では、年金内で払えるはずだった。いつの間にか年金が足りなくなっている。何が起きたのでしょう?
介護度が上がれば、消耗品も増える
一番の要因は介護度が上がったことで、日用品などの消費量も増えたことです。
介護度が1段階あがれば、介護サービス費が約2000円増えます(施設によって違う)。
確かにこの数字は大きいのですが、それ以上に消耗品が大きく増えます。
その代表的なものがオムツ関係です。
最初は布パンツで入所したので、かかる費用は洗濯代だけ。
次第にトイレに行けなくなり、毎日2~3枚にオムツを交換するようになった。
20枚入りで2,000円のオムツだとしても、1ヶ月に6,000~8,000円をオムツ関係に消費することになります。
他にも増える項目はこんなに。
- 病院代、薬代
- 介護タクシー
- 口腔ケア用品
- 栄養補助食品
- とろみ
- 介護用の服 など
介護度が上がれば、介護サービス費以外にも色んな費用が増えていきます。
消費税や介護報酬が上がった
微増なので請求書をみても気にならないし、制度上の理由であるため仕方ないと思いがちです。だけど入所時の費用と比べると費用はかなり増額しているハズです。
- 食材
- 水道光熱費
- 家賃
- 日用品
- 介護サービス費
『いつの間にか』『少額』なので気になっていませんでしたが、消費税と介護報酬のUPは老人ホームの費用を着々と増やしていました。
ちなみに令和3年4月の介護報酬改定でも平均0.7%の介護サービス費の増加が見込まれています。
費用が払えない。退去までの流れ。自転車操業は危険!
『老人ホームの費用を払えなくなった翌日に退去!』なんて事にはなりません。各老人ホームの契約によって細かい手順は違いますが、おおむね以下の手順となります。
滞納の通知
まずは滞納の通知。もちろん、たまたま支払いが遅くなるということは誰にでも起こりえます。
『〇月分の支払いが未納となっています。所定の方法で支払いをお願いします』という文章が家族に送られるので、すぐに支払いを済ませれば何の問題もありません。
退去の通告
滞納の常習度によりますが、おおむね3ヶ月分の滞納が続けば退去の通告となります。
- 3ヶ月分も溜まると、もう払える金額ではない
- 払う誠意がないと見られる
- 急な入院や死亡退去などで逃げられるリスク
滞納を何回も続ければブラックリスト者として目をつけられています。
反論したとしても、契約書に記載してあることなので、もうどうにもなりません。
準備&退去
退去通告のあとは2週間程度で準備をして退去となります。
いくら未納が続いたとしても、介護が必要な高齢者です。『明日出ていってください』と荷物を外に出されるような非道なことにはなりません。
この間に、新しい老人ホームを探すなどの退去手続きに入ります。
いつまで介護が続くか予測不能
介護がいつまで続くか分からないからこそ、年金内で生活できる老人ホームに入所しておかなければいけません。
『人生100年時代』と呼ばれるように、100歳を超える高齢者は珍しくなくなりました。
医療が発達したおかげで、寝たきりになっても管から食事を取ることもできます。
参考なまでに
男性の平均寿命は81歳、女性の平均寿命は87歳
と言われていますが、あくまで平均です。
予測がつかないからこそ、予算の範囲内で生活できる老人ホームに入所しなければいけません。
まずはケアマネジャーに相談
困ったことがあれば、まずは担当のケアマネージャーに相談します。
ケアマネージャーは公正中立の立場であり、利用者の一番の理解者です。そして秘密を厳守してくれます。
あっちこっちに相談するよりも、窓口を一つに。例え生活保護や借金など専門外の相談であっても、適切な窓口を紹介してくれます。
- 特養
- 老健
- 介護医療院
- グループホーム
- 介護付き有料老人ホーム
- 小規模多機能型居宅介護
- 住宅型有料老人ホーム
- サ高住
- 長期ショートステイ
まずは自分の担当が所属するケアマネージャーに相談しましょう。
老人ホームの費用が払えなくなったときの対処法
根本的には老人ホームを変えるしか方法はありません。認定の見直しも、もしかして有効な手段になるかもしれないので解説しておきます。
老人ホームを引っ越す
今より安い老人ホームに引っ越すのが一番の近道です。
家賃や食費などは、介護サービス費用より下げられる可能性があるからです。
介護サービス費用は介護認定によりほぼ決まるといって過言ではありません。その介護認定は全国共通の決め方で、値下げの余地がありません。
一方で家賃や食費などは、値下げ交渉の余地もあるし、費用が安い老人ホームを探すこともできます。
- 都市部に住んでいるから高い
- 遠くに住んでいるから雑費がかかる
『地元だから』という理由にこだわっていると、安い老人ホームを見つけれないかもしれません。家族の状況なども踏まえて、総合的に費用が安くなる老人ホームを探しましょう。
介護認定の変更
先ほど、家賃や食費に比べて介護サービス費(介護認定)は下がりにくいと解説しました。
しかし介護認定を下げることができれば、老人ホームの費用も数千円単位で下げることができます。
ではどのような人に有効でしょうか?
- 入院中に認定調査を受けた
- 区分変更(途中見直し)をかけた
該当する人はもしかして、調査時より元気になっているかもしれません。
言いかえれば、現時点で認定調査を受けたら介護認定が下がるかもしれません。
介護認定が下がれば老人ホームの費用も下がるというわけです。
まとめ
老人ホームに入所するときは年金で払える試算だったとしても、入所生活が長くなるといつの間にか年金以上の費用となることは珍しくありません。
主な理由は
- 介護度と消耗品の上昇
- 消費税と介護報酬の上昇
仕方ないと言えば仕方ないのですが、老人ホームの費用が払えないと、退去しなければいけません。
年金で足りない分は手出しできればよいのですが、その子供たちも年金生活に入った世代で、きついのは言うまでもありません。
その時に一番割を食ってしまうのは誰ですか?
主介護者であり、親の通帳を管理しているあなたです。ケンカのもとになる話題なので、相談しにくい内容ですよね。
結論は年金収入に見合った老人ホームに引っ越しをすることが問題解決の近道です。一時的な手出しならともかく、いつまで介護が続くか予測不能です。