- 『要介護になった田舎の親が心配』
- 『仕事を辞めて介護をするか』
- 『介護と仕事の両立はできないのか』
そんな疑問にお答えします。
結論からいえば、親の介護が必要になっても仕事を辞めてはいけません!
辞めていいのは、今の生活にも、老後資金にも不安がない人だけです。
『親が心配』その不安な気持ちは分かります。
それでも辞めてはいけないその理由、その対策について分かりやすく解説していきます。
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親の介護のために仕事を辞めてはいけない
収入は減るけど、親の介護をやろう。
仕事を続けながら、できる範囲で介護しよう。
ケアマネである私の意見としては、仕事を続けるべきです!
それが親の介護のためにも、あなたの将来のためにもなります。
介護にはお金がかかる
デイサービスやヘルパーなどの介護以外にも、お金はがかかることはたくさん。
✔︎ 例えばこんな感じ
- 病院代や薬
- 交通費
- オムツ代
- 介護用品(杖や靴など)
遠くに住んでいる家族は、ガソリン代や高速料金など、これがバカになりません。
ー親の介護だもん、親に請求しようー
それはそうなんですが、なかなか請求しづらいんですよね。
ー通帳を預かったから、そこからもらおうー
年金が足りない、これじゃ施設入所もできないじゃないか!
元の職場に戻るのは簡単ではない
介護が終わったら、また雇ってもらいたい。
理想はそうなんですが、そう簡単にはいきません。
- 介護がいつ終わるか分からない
- 離職中に職場環境が変わっている
- 業務も人間関係も
- 自分も歳をとる
先が見えない介護だからこそ、元の職場にも元の生活にも、簡単には戻れません。
自分の老後資金は足りるのか?
厚生労働省の「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和元年度の平均受給額は次の通り。
- 老齢厚生年金の受給額 月額:14万6,162円
- 老齢基礎年金の受給額 月額:5万6,049円
貯蓄を崩さずに生活できそうですか?
さらに言えば10年後、20年後はもっと大変なことになっているかもしれません。
- 介護保険料のUP
- 物価の上昇
- 年金受給額の引き下げ
早期退職をして老後資金は足りそうですか?
想像以上にハードな親の介護
肉体的ストレス
2019年国民生活基礎調査によると要介護2以下では「必要な時に手を貸す程度」が最も多い。介護者に肉体的なストレスはそれほどかかりません。
ところが要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多く、かなりの肉体的ストレスとなります。
具体的には…
- 抱える
- 立たせる
- 寝かせる
- 食事を食べさせる など
このレベルで自宅で介護するなら、仕事と介護の両立なんてとてもとても…
精神的ストレス
ストレスの原因で最も多いのは、
「家族の病気や介護」。
その他にも、
「人間関係」や「自由な時間がない」
などもストレスの要因となっている。
「収入・家計・借金など」お金が関係する悩みを持っている人が1/4は存在。
仕事を辞めて失敗した例
一人暮らしのAさんは転倒をきっかけに介護1となった。
遠方に住む息子さんは、Aさんの介護のために仕事を辞めて実家に戻った。
一家の収入はAさんの年金だけで、二人はキツキツの生活を送る。
本来ならもっとデイサービスに行きたいが、お金がないのでそれも叶わない。
老人ホームへの入所もできずに、本格的に体調崩すまで、自宅で過ごした。
✔︎ この事例のポイント
- 介護のために帰ってきたはずなのに、足を引っ張っている息子さん
- 自分の年金なのに、自分のために使えないAさん
- 最終的には息子さんの老後資金もたまらない
子供に介護してもらいたい?親の本音は?
「子供だからといって、必ずしも自ら親の介護をする必要はない」と答えた人は36.1%。
本音は、子供から介護されることを望んでいる人が多いけど、1/3はそうでないと考えているようです。
ちなみに、平成7年と比べて比率が変わったところを見ると、この考えはいつか逆転することも期待できます。
介護休暇と介護休業
介護休暇や介護休業を使えば、仕事を辞めずに済むかもしれません。
介護休暇
✔︎ ざっくりいうと
- 家族の介護のために休める
- 年間5日間もらえる
- 有給休暇のようなもの
介護休業
✔︎ ざっくりいうと
- 家族の介護のために長期間休める
- 通算93日まで休める
- 育児休暇の介護バージョン
初期の段階では、入退院や介護サービスの準備など、まとまった時間が必要になるので、介護休業はかなり有効です。
介護1ぐらいなら遠距離介護もできる
私の経験上、要介護1なら遠くに住んでいても一人暮らしはできます。
え?そんなもんなの?
✔︎ こんなことを不安に思っていますか?
- 食事はどうするの?
- お風呂は?
- 買い物は?
- 病院は?
- 緊急時は?
大丈夫。介護1なら代替案はいくらでもあります。
ー例えばこんな感じー
これらの体制を整えてしまえば、あとはたまに電話で生存確認する程度。
だけどこれが達成できるの要介護1まで!多めに見ても要介護2までです。
要介護1について詳しく知りたい人はこちらをぞどうぞ。
介護1ってどんな状態?どんな介護サービスが使える?モデルケースを紹介。
選ばれ続けて続けて11年連続NO.1
せめて働くスタイルを変える
やっぱり親を放っておく訳にはいかない。実家に帰ろうかな。
どうしても仕事を優先できない場合は、せめて働くスタイルを変えてみましょう。
✔️ 介護と両立を目指す働き方
- 短時間勤務
- 家から近い職場に転職
- 事情が分かってくれるくれる会社に転職
帰省で無職になったとしても、何らかの形で働き続けることが大事です。
(まとめ)親の介護のために仕事を辞めてはいけない
✔️ 親の介護のために仕事は辞めてはいけない
- 介護にはお金がかかる
- 元の職場に戻るのは簡単ではない
- 自分の老後資金も必要
大袈裟とかじゃなくて、マジです!!
ーせめて介護くらいはやってあげたいー
確かにその心情は分かります。
だけど、介護って想像以上にハードです。なんだったら仕事をやってたほうが楽なくらいです。
そして介護1くらいなら一人暮らしはできます。介護度が重くなれば、そもそも施設入所を検討するようにもなります。
それなのに仕事を早期退職して大丈夫ですか?
親の介護も大事だけど、ご自分の老後は大丈夫ですか?
せめて長期休暇を取ったり、介護しやすい職場に転職するなど、あくまで何かしらの形で仕事を続けることをお勧めします。