デイサービスの入浴が安くなるとか、入浴リハビリが始まるとか聞いた。ということは家で入浴介助をやらなきゃいけないの?
母は介護4だし、車イスにも乗っている。確かにシャワーチェアーを買ったし手すりも付けたけど、それは元気だったころの話。
リハビリをやったとしても家でお風呂なんて無理すぎる。そんなこと望んでいないんですが…
こんにちは、ケアマネの麦マネです。
4月から始まる入浴介助加算(Ⅱ)の噂を聞いて悩まれているのですね。
まずは安心してください。デイサービスの入浴がなくなり、絶対に家でお風呂に入らなければいけない!なんてことにはなりません。
4月からデイサービスの入浴がどのように変わり、利用者の生活がどのように変わるか解説していきます。
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デイサービスの入浴が変わる背景と概要
令和3年4月の介護報酬改定で入浴介助加算が(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれます。
今までの入浴介助加算が入浴介助加算(Ⅰ)となり、入浴介助加算(Ⅱ)が新しくできたのです。
(Ⅰ)?(Ⅱ)?
家族さんの目線で解説しますので、怯えないで聞いてくださいね。
デイサービスの入浴が変わる背景
一言でいえば出る杭が打たれたのです。
デイサービス利用者の90%以上が入浴介助を受けています。
ここを少し削るだけで、介護サービスの費用を大幅に抑えることができる。
具体的にはこんな感じ
たった90円かもしれませんが、日本中のデイサービス利用者の90%以上が入浴しているので相当な財源が浮くというカラクリですね。
しかしそれではデイサービスの経営側は大幅な減収になります。
そこで入浴介助加算(Ⅱ)が用意されました。
でも、入浴介助加算(Ⅱ)は55円なのでしょう?国は負担が増えたじゃないの?
入浴介助加算(Ⅱ)を、どこのデイサービスもできるとは限りません。
取れるものなら取ってみてください。
デイサービスの新しい入浴介助
入浴介助加算(Ⅱ)を取るための手順
①医師やリハビリの専門職が自宅の浴室環境を確認する
②医師などから助言をもらって、デイサービスが入浴計画をたてる
③自宅の浴槽を想定しながら、デイサービスで入浴方法を指導する
お気づきにとおり、①の段階からハードル激高です。
- 家の浴室を見にくる医師なんていない
- リハビリの専門職を雇っているデイサービスは少ない
- 外部のリハビリ専門職がボランティアで見てくれるか?
②③に関しては、デイサービスのスタッフが頑張ればできる内容です。
だけど、そもそも論として、
自宅で入浴を望んでいる人がどれくらいいますか?
介護度が高い人は論外だし、環境整備、家族の負担、危険を犯してまで自宅で入浴をやりたい人が多いとは思えません。
※データはありません。ケアマネとしての感覚です。
入浴が変わるのはデイサービスだけではない。
私の母はデイケアにも行っているんだけど、どうなんだろ?新しい入浴はお断りしていいのかな?
入浴が変わる施設
- デイサービス(通所介護)
- 地域密着型デイサービス
- 認知症対応型デイサービス
- デイケア(通所リハビリ)
上記4つの通所系の入浴が変わります。
げっ、やっぱりデイケアも??
とはいえ、すべての通所系が入浴介助(Ⅱ)をやるとは考えられません。
新しい入浴介助を受ける人
新しい入浴介助をやる可能性がもっとも高いのはデイケアです。
理由は簡単で、リハビリの専門職をすでに雇っているからです。
あとは利用者全員に入浴介助(Ⅱ)をやるのか、改善の可能性がある人のみにやるのかは施設の考え方によります。
他の3つのデイサービスは、リハビリ専門職を確保することから始まるで、かなり厳しいと踏んでいます。
まあそれが分かっているから国の偉い人は入浴介護加算(Ⅰ)を作ったのでしょうね。
やれるものなら、やってみてください(>.<)y-~
【まとめ】今までどおりデイサービスで入浴してよい
- デイサービスの入浴は加算(Ⅰ)加算(Ⅱ)に分かれる
- 入浴がなくなるわけではない
- 国が予算を削減するための加算の一つにすぎない
そもそも自宅で入浴が出来るのであれば、ケアマネはデイサービスに入浴の依頼をしません。
自宅で入浴できない理由は、麻痺とか認知症などの体の病気だけの問題ではありません。自宅の浴槽が狭い、一人暮らし、高齢世帯、家族が仕事などの理由もあります。
それらを総合的に判断し、自宅での入浴を断念しているのです。
他には引きこもりがちな人には『お風呂に入ってくるだけだから』などの口車に乗せて、なんとかデイサービスに行ってもらうこともあります。
それくらいデイサービスの入浴は大事な役割を持っているのです。
確かにリハビリと考えれば入浴計画は素晴らしいですが、出来る人は入浴計画がなくても今すぐに自宅で入れます。
だからデイサービスの入浴介助の変更は、国の財政を抑え込むための手段であり、利用者にとっては入浴が安くなるとだけ覚えてきましょう。
デイサービスの入浴はなくならないし、無理して自宅で入浴する必要はありません。