『介護2で特養は入れる?』『介護認定2と3の違いは?』『先が長い、どうしよう…』
介護認定2や3の状態は、在宅介護をやっていて、一番大変な時期です。
寝たきりでもなければ、認知症も初期~中期状態。
何もかも半端な状態なので、介護する側もやりにくいし、大変なのです。
『特養に入所させたい』と考えても不思議ではありません。
この記事では以下のことを解説します。
- 特養の入所条件を解説
- 介護認定2~4の状態目安
- 特養入所まで、介護認定2の道筋
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特養の入所条件を解説
特養は社会福祉法人が国の指針のもとで運営しています。
国が関わっているということは誰でも構わずに入所できるわけではありません。
ここでは特養入所の条件を解説します。
介護認定の条件
特養に入所するためには介護認定3以上が必要です。
平成27年4月の改正から『介護3以上』の条件が付いたのですが、それまでは要介護1・2の人も入所できていました。
ちなみに私がまだ介護士の見習い学生であった平成15年頃は介護認定2の人も入所していました。
今々考えたら、あれは介護が必要という理由はもちろんですが、住む家がなかったという理由も手伝って入所していた人なのかもしれません。
ベッドが『家化』していました・・・
特養の判断項目
国が示す『要介護3以上』という指針以外にも特養が定める入所基準が独自であります。
- 介護度
- 一人暮らしや高齢者世帯
- 住む家がない
- 経済面
- 認知症
- 経営者と知り合い(小声で言います)
- その他
介護認定3を最低基準として、これらの項目を点数化します。
ということは介護5は最強なのか?
そうとばかりは言えません。
いくら介護度や点数が高くても問題行動が多い、手がかかる、すぐに入院しそうな人などは敬遠されがちです。
特養が求める入所人物像は『要介護5』で『おとなしくて』『長く入所してくれる人』です。
ぶっちゃげいえば、要介護5で一人暮らしであっても、徘徊バリバリであれば精神症状か身体状況で徘徊しなくなる状態までは声がかからないと言えます。
裏話ですが、お寺が特養を運営しているケースはよくあることです。
檀家であれば入所判定会議に『天の声』が聞こえるとか聞こえないとか・・・(小声)。
特例もある
介護認定2以下の人も入所できる特例は残っています。
だけど特例といっても、よっぽどの特例です。
- 認知症や精神知的障害により日常生活を送れない
- 家族などの虐待
- 一人暮らしや、高齢者世帯、家族の病弱など
これって結構ある事例では?
そうです。だからよっっっっぽどのことがない限り特例で入所できることはありません。
私が居宅ケアマネとして担当している人だけでも10/35人は当てはまりますよ。
ここまでのまとめ
- 特養に入所するためには介護認定3以上は最低条件
- 高い介護度、入所の必要性が高い、手がかからない人が優先
- 『特例入所』はあってないようなもの
ぶっちゃげ言えば、入所するためには介護認定4以上が一般的には必要です。
介護認定2~4の状態目安
では
『入所できない介護認定2』『最低条件の介護認定3』『優先度が高い介護認定4』
これらの人ってどんな感じか分かりますか?
- 介護認定の状態、目安
- 介護サービスの目安
これらの状況について現役ケアマネのリアルな人物像を説明します。
病気や介護量は多種多様ですが参考にしてください。
介護認定の状態、目安
区分 | 目安 |
介護認定2 | まだ杖などを使えば歩けるが、車いすを使った方が楽な場合もある。 認知面ではかなりの注意が必要で一人暮らしはギリギリ状態。 |
介護認定3 | かなり車椅子を使っている割合が多くなってきた、もしくは認知症がかなり進んでいる。 一人で生活するのは難しいです。家族構成によっては施設入所を検討! |
介護認定4 | ベッド上で寝ている時間が多い。認知症でも徘徊などの問題行動も目立つ。 意思疎通もほぼ取れなくなってきた。 |
私の経験上、入院中にたまたま介護度が高くなることを除いては、一人暮らしが成り立つのは介護認定2までです。
と言いながらも認定介護2では特養への入所資格すらありません。
介護サービスの目安
区分 | 介護サービスの目安 |
介護認定2 | デイサービス(デイケア)へ週5回歩行器とベッドレンタル |
介護認定3 | デイサービス(デイケア)へ週3回ベッドと車椅子レンタル |
介護認定4 | 訪問看護を週1回デイサービス(デイケア)へ週2回ベッドと車椅子レンタル |
介護認定が高くなるほど通所系が減っていき、訪問系のサービスに替わる傾向にあります。
介護度が高くなるほど、家にい可能性が高いの?
デイサービスに通うのが大変になります。
ここまでのまとめ
- 介護認定2は週の半分以上はデイサービス(デイケア)に通っている、一人暮らしの最終ライン。
- 介護認定3は一人暮らしは難しい、介護用品レンタルも多くなってきた
- 介護認定4は訪問系サービスを中心とした組み合わせ、この時点で入所や入院していることが大半
特養入所まで、介護認定2の道筋
さっきから聞いていると介護認定2では特養入所は絶望的じゃん!
確かに介護認定2では特養入所は現実的に難しいです。
そしていつになったら入所条件が揃うのかも先が見えず怖いばかりです。
介護認定2を持っている人がどのような道筋を通って特養へ入所するのかを3つパターンで解説します。
在宅で待つ
お金の面では一番安いので、ギリギリまで在宅で待機しておくのがポピュラーです。
とはいえ、介護認定2であれば一人暮らしが厳しい状況になっています。
介護者がいないのであれば、他の方法に変えて待つしかありません。
特養ショートステイで待つ
ショートステイという言葉は聞いたことあるかもしれませんが、ロングショートステイというグレーな言葉もあります。
グレーだけど、この方法が特養へ最もスムーズに入所できる裏技です。
ロングショートと入所の違い
永遠に泊まるのなら、ロングショートも入所の一緒では?
おっしゃる通り、介護の内容としてはほぼ変わりがありません。
ただし利用料金と家族の手間という面では大きく違います。
ロングショートであろうと通常ショートであろうと介護保険の中では『在宅』という扱いになります。
永遠に泊まっていようと、あくまで施設入所ではなく、ショートステイなのです。
主に以下の点で介護者の実感が湧くと思われます。
施設入所 | ロングショートステイ | |
病院受診 | 往診可能。専門医通院も施設スタッフ付き添う。 | 往診△だが基本家族付きその通院。 |
限度額負担認定証 | ◎ | △ |
施設に入所できれば住所も移して一人暮らしになるので限度額負担認定証も有利に働きます。
ロングショート(泊まり)では住所を移せないので、課税世帯では限度額負担認定証が使えずに利用料金が高くなります。
限度額負担認定証についてはコチラをどうぞ。
ロングショートステイの始め方
ここまで聞いた方はロングショートに入ってしまえば、特養へ入所できたのと同然と考えた方がいると思います。
だけどロングショートの枠に入り込むの、結構な奇跡です。
ロングショート利用まで現実的な道筋は以下の通りです。
- ショートステイを利用しながら、徐々に利用日数を延ばす
- 同じ法人のデイなどを利用しながら、いきなりロングショート
- 初めまして、ロングショート使わせてください
『3.初めまして、ロングショート』なんてのはかなり奇跡的な出会いといえます。
他の施設で待つ
有料老人ホームなどに入所して、特養が空くのを待つことが一番現実的な方法です。
もちろん、特養に入所申し込みをしたうえの話です。
高齢になるほど健康状態も良くもなりません、年々と介護認定も上がる確率は高いのです。
それがいつになるか分かりませんが、それまでの間、有料老人ホームでやり過ごそうという戦略です。
ここでよくある勘違いを紹介します。
特養に申し込みをしていて、お呼びがかかったときに入所できなかったらどうするんですか?
この心配事には将来のこんな心境が予想されます。
- その時に入院しているかもしれない・・・
- 有料老人ホームの生活を気に入っているかもしれない・・・
答えは断るなり、繰り越しにしてもらことです。
私はケアマネとして働いているため、ここらへんの感覚が一般介護者とギャップを感じて申し訳ないのですが、マジで断って大丈夫です。
キャンセル料なんてマジで取られません!
施設側もその事態を見越して入所判定会議を行っています。
だから臆することなく、バシバシ入所申し込みをして良いのです。
まとめ
- 特養入所は法的に入所できない、法の範囲内でも介護4以上が現実的
- 介護2で一人暮らしは難しい
- 入所資格をもらえるまで有料老人ホームで待つ
以上が特養入所までの王道の道筋です。
とはいえ、実際にその道筋を本当に辿れるかの約束は誰にもわかりません。
そして経済的、雰囲気的、地理的、病的、様々な要因で有料老人ホームにすら入れずに宙ブラリン状態の人もたくさん見てきました。
特養であれ有料老人ホームであれ、申し込みをしないと何も始まりません。
どんどん動かないといざというときに困るのは家族です。