母の介護申請をしました。
なるほど。今からケアマネージャーを探す段階なのですね。
だけど遠くに住んでいるし、ケアマネージャーもどうやって選ぶのか分からない…。
遠くに住んでいるようであれば、ケアマネージャーの選び方はとても重要です。
ケアマネージャー次第で、あなたの母だけでなく、あなたのライフスタイルまで大きく左右されます。
そもそもケアマネージャーってなに?
まずはケアマネージャーが何者であり、あなたにどのような利益をもたらしてくれるのかを理解しましょう。
ケアマネージャーの資格要件
以下の業務を通算して5年以上かつ900日以上従事したもの
- 該当の国家資格などで業務した者※
- 介護施設などで相談員業務をした者
※医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士・管理栄養士
なんだか難しいね…
とりあえず、試験に合格した人がケアマネージャーであることは理解しておきましょう。
ケアマネージャーがやってくれること
そのケアマネージャーはどんなことをやってくれるの?
ケアプラン作成
ケアプランがないと介護サービスを利用できません。
『自己作成』と言って、家族が作ることもできるのですが、通常はケアマネージャーに依頼して作ってもらいます。
介護保険証の管理をしてくれる
有効期間が切れた介護保険証は使えないので、定期的に更新しなければいけません。
有効期間なんて覚えてられないし、手続きも分からないよ。
そうならないように、担当ケアマネージャーは有効期間が切れないように手続きを行ってくれます。
施設を探してくれる
ケアマネージャーは施設入所の世話もしてくれます。
私の感覚としては当たり前のことなのですが、
そんなことまでしてくれるんですかー?
と驚かれることが多いですね。
介護の相談
介護の悩みって誰に言えばいいのか分かりませんよね。
最初は介護認定の相談から始まり、最後は看取りや施設入所まで幅広く相談を聞いてもらえます。
病院との調整
- かかりつけ医以外への通院(精神科など)
- 病院の入退院
かかりつけ医以外へ通院する手段は、意外と分からないのでケアマネージャーに予約を取ってもらうことは珍しくありません。
又、退院後は施設入所を希望するのであれば、担当ケアマネージャーが先頭に立ち、施設を探し、病院と調整を行います。
居宅介護支援事業所の選び方
まずはケアマネージャーが所属している居宅介護支援事業所(ケアマネージャーが働いている所)を選びます。
居宅介護支援事業所には2つのタイプがあります。
- 施設や病院系列
- 独立型
施設や病院系列
居宅介護支援事業所以外にも、デイサービスなど別の事業も経営しているタイプです。
居宅介護支援事業所の利益はほとんどありません。しかし、他の事業と協力することで経営は安定し、担当ケアマネージャーが辞めていく事態も免れます。
私が〇△居宅介護支援事業所だから、同じ〇△デイサービスに使ったほうが、絶対にいいですよ。
実はこれ、ケアマネージャーとして絶対にやってはいけない常識なのですが、いつのまにかやられているという事実です。
独立型
どこの後ろ楯をもっていない、フリーな居宅介護支援事業所です。
施設(病院)系列と独立型はどちらがよいの?
双方にはメリットデメリットがありますが、実はどちらでもよいです。
それよりも居宅介護支援事業所を選ぶ際に優先させたいものは、
- 家からの距離
- 土日の対応
- 信頼できる事業所
特に一人暮らしであれば距離はとても大事です。
母と電話してたのですが、様子がおかしいようです。
ちょっと見てきます。
一人暮らしの高齢者には、ケアマネージャーは特に気がけて訪問しています。
だから『ケアマネージャーが訪問しやすい距離』これは大事です。
ケアマネージャーの選び方、チェックポイント
チェックしてほしいポイントを9つ選びました。
特に①~④はとても重要です。
ケアマネージャーの選び方①話を聞いてくれる人
- あなたを理解してくれる
- 聞く耳を持ってくれる
- 笑顔を見せてくれる人
間違っても業務的でロボットみたいなケアマネージャーを選んではいけません。
ケアマネージャーの選び方②分かる言葉で話す人
- 初心者でも分かる言葉を使ってくれる
- 分かるように説明してくれる
専門用語ばかり使っているケアマネージャーは
『私は仕事ができるんだ。』
とでも言いたいのかもしれませんが、全くのナンセンスです。
ケアマネージャーの選び方③すぐに動いてくれる人
高齢者の状態は急に変わることがあります。
その場合、ケアマネージャーに相談してなんらかの手段をとらなければいけません。
そんな緊急事態に、
しばらく様子をみておいてください。来週会いにきますから。
なんて言われたらどうです?
結果の云々も大切だけど、ピンチを悟ってすぐに行動してくれるケアマネージャーを選ぶことは大事です。
ケアマネージャーの選び方④こまめに連絡してくれる人
遠距離介護の唯一の連絡手段は『 電話 』です。
普段は気にならなくても、時折『本当に元気にしているの?』と思うこともあります。
なぜなら、
- 視覚として分からない
- 難聴や物忘れなどで、状況が分からない
- 子を心配させない親心
やはり電話だけでは情報不足なので、第三者からの情報がほしいです。
自宅を訪問してきました。お母さん元気にされてましたよ。
こんな何気ない報告だけでも嬉しいものです。
ケアマネージャーの選び方⑤電話が繋がりにくい人
- 電話に出てくれない
- いつまで待っても折り返しもない
そういう人間性なのかキャパ以上の仕事をしているかのどちらかです。
電話が繋がりにくい、折り返しすらもないケアマネージャーを選んではいけません。
ケアマネージャーの選び方⑥利用者にも家族にも公平に対応してくれる人
あなたの意見ばかり聞いて、親の意見を聞いてくれないケアマネージャーってどう思います?
親の意見ばかり聞くケアマネージャーはどう思いますか?
どちらの意見にも耳を傾けてくれるケアマネージャーが、あなた達家族を想ってくれていませんか?
だから利用者にも家族にも公平に対応してくれるケアマネージャーを選んだほうがよいです。
ケアマネージャーの選び方⑦社会資源をよく知っている人
〇〇デイサービスの評判を教えてください。
あまり聞かないですね。
〇〇病院って整形はあるんですか?
すみません、知りません。
情報をほしくて聞いているのに、素人と同じような答えるケアマネージャーはどうですか?
地域のことにも詳しいケアマネージャーが頼りになります。
ケアマネージャーの選び方⑧男性、女性
私は男性ケアマネージャーは苦手です!
性別を理由に『あのケアマネージャーの言うことは聞く』とニコニコとしているようであれば、それは尊重しておいた方が介護がやりやすくなります。
ケアマネージャーの選び方⑨ベースの資格
ケアマネージャー以外にどんな資格を持っているかで、ケアマネージャーを選んでもよいでしょう。
- ケアマネジャー以外の別視点で相談にのってくれる
- 急変時に頼りになるかもしれない
はっきり言って、これはケアマネージャー選びの判断材料としては乏しいのですが、前職を知っておいてもよいでしょう。
ケアマネージャーとの上手な付き合い方
ケアマネージャーとは長い付き合いになります。10年以上付き合うことも稀ではありません。
長い付き合いなのだから、『 信頼関係 』は重要です。
では信頼関係を作るにはどのように付き合えばよいのでしょうか?
具体的に希望を伝える
具体的に言ってもらった方が、ケアマネージャー側もどのような解決方法があるのか提示しやすいです。
結局どうしたいのかケアマネージャーに伝わりません。
伝わらないと、勝手に不信感をいだいてしまいます。
分からないことは尋ねる
分からないことを分からないままにしておくと信頼関係を損ねます。
この人が言ってることサッパリ分からない。
ストレスが爆発する前に、どんどん質問した方がよっぽどストレスが溜まりません。
お客様の態度はもたない
ケアマネージャーの支援費は、利用者からもらっていません。支援費は公費から支払われています。
それなのに何故か、『俺はお客様だぞ!』と勘違いをしている人がいます。
あくまで契約関係なので、セクハラ・パワハラ・モラハラで契約解除もあるし、そのときに介護保険が使えなくて困るのはだれでしょう?
ケアマネージャーは変更できる
担当のケアマネージャーと合わなかったらどうしよう…
ケアマネージャーは下記の手順で変更できます。
- ケアマネージャー(本人)か居宅介護支援事業所に変更を伝える
- 新しい居宅介護支援事業所に相談する
- 新しい居宅介護支援事業と契約
確かにケアマネージャーを変更することは大なり小なりのストレスとなります。
だけど、手順を踏めばケアマネージャーはいつでも変更できるので安心してください。
担当ケアマネージャーと合わないようなら、早めに交代を伝えましょう。
理由は本当に困ったときに、相談しにくいからです。
(まとめ)ケアマネージャーの選び方
ケアマネージャーの選び方で特に大事にしておきたいことは、
- 話を聞いてくれる人
- 分かる言葉で話してくれる人
- すぐに動いてくれる人
- こまめに連絡をとってくれる人
又、居宅介護支援事業所の選び方で、最優先することは
『自宅までの距離が近いこと』です。
遠距離介護をする人にとってケアマネージャーの選び方を間違えると、家族の生活まで脅かされます。
この記事を参考に良いケアマネージャーと出会って頂けたら幸いです。