『デイサービスに行きたいだけなのに、なんでケアマネージャーがいるの?』
『どこまで頼ってよいの?』
『一人暮らしの母の様子まで教えてくれる、この人は一体!?』
改めて考えるとケアマネージャーの役割って何?そんな疑問を考えることがあります。
介護サービスを使い始めたときを思い出してみましょう。
入院中、転んだ、認知症など、不安ばかりの中にケアマネージャーが現れて、相談に乗ってもらったり見学に行ったり…。
気付いたら、ケアマネージャーと慣れあっているけど、あなたの役割って一体なんだったけ??
この記事ではケアマネージャーの役割について改めて説明します。
ケアマネージャーの役割について理解することで、今後も末永く付き合っていくことができます。
家族が同居していようと、遠くに住んでいようと役割は一緒です。
だけど、遠くに住んでいる家族ほど、ケアマネージャーが頼れる存在になるので、しっかり役割を理解しておきましょう。
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【役割①】ケアプラン作成、給付管理
一度は目にしたことがあると思いますが、ケアプランと利用表。
こんなやつですね。
確かに見たことあるし、毎月印鑑押しているわ。
これらの書類を作ることが、ケアマネージャーの役割の一つです。
ケアプランを作成する役割
ケアプランってデイサービスが2回とか、お風呂に入りましょうとか書いてある計画書のことだよね?
そうです。
適当に書いてあるわけではありませんよ。
介護保険の財源は介護保険料という税金です。
みんなから徴収している税金を
暇だからデイサービスにいきたい。
銭湯代わりに風呂に入るか。
こんな理由で介護保険を使われたら、介護保険料を納めている人が納得できませんよね?
みんなの保険料を使うのだから、介護が必要な根拠が必要です。
- 麻痺があって家のお風呂には入れない
- 認知症が進んでいて、家に一人でおけない
このように本人がどのよう点で困っているかを明確にすることを、アセスメントと言います。
アセスメント結果をもとに、必要な介護サービスをまとめたものをケアプランといいます。
このケアプランがないと介護サービスは使えず、ケアマネージャーが作成する役割を担っています。
給付管理をする役割
給付管理というと難しい言葉に聞こえますが、サービス事業所が不当な保険請求をしていないかのチェックです。
今月はこれだけ、デイサービスに来られました。
予定通りに利用していますね。
では、これで保険請求して大丈夫です。
こんな感じで予定と実績のスリ合わせを行ないます。
体調不良や用事もあるので、多少の変更は問題ないのですが、予定とまったく違うように介護サービスを使わせたり、不当請求をしていないかのチェック作業です。
この作業はケアマネージャーの役割であり、毎月1日~10日までの間にやらなければいけません。
【役割②】介護サービス調整、認定の手続き
ケアマネージャーの相談業務の一部です。
というより利用者や家族にとっては、こちらがメインの業務になります。
介護サービスの調整
調整といっても幅広くあります。
- 利用開始前の調整
- 開始後の調整
- 入退院の調整
例えばこんな感じ。
【例1】
ケアマネさん、仕事で1週間留守します。一人で留守番は危ないので、どうにかしてほしい。
ショートステイを使えないか調整します。
【例2】
母が骨折で入院しました。
2ヶ月程度入院するようです。
ではデイサービスなどには、しばらく中止を伝えておきます。
~2カ月後~
ケアマネさん、母は歩けなくなり、車椅子がいるようです。
まだリハビリの段階です。
あと1ヶ月は歩かないほうがよいでしょう。
あたたたた…。
退院日に合わせて、車椅子のレンタルを調整しておきます。
こんな感じで、介護サービスの調整を行なっています。
今のは一例ですが、調整の内容は大小さまざまです。
入所の調整もあれば、デイサービス休みの連絡調整、介護保険外での配食サービスもあります。
調整調整調整…ケアマネージャーは1ヶ月のほとんどの時間を調整に費やしています。
認定の手続き
介護保険証には認定の有効期間があります。
有効期間が切れたら介護サービスが使えなくなるので、ケアマネージャーは期間が途切れないように目を光らせています。
手続きはケアマネージャーの必須業務ではないのですが、家族などに任せて『うっかり忘れていた』なんて言われたら大変なので、ケアマネージャーがやることも多いです。
ケアマネージャーは利用者の一番の理解者
これをいうとデイサービスや訪問介護の人たちはムッとするかもしれません。
しかし、構造的にもケアマネジャーが一番の理解者なのです。
上下関係を持たない、公正中立の関係
ケアマネージャーと利用者に上下関係はなく、いつだって公正中立の立場です。
その証拠にケアマネージャーの仕事をやっても、利用者からお金を頂いていません。
デイサービスなどは1割負担で支払っているでしょう?
確かに!
困ったときこそ頼りになる
慣れてくるとケアマネージャーの訪問が、うっとうしく感じることもあるでしょう。
だけどそれは状態が安定しているから。
思い出してください。
初めて相談にいったときは、ケアマネージャーがとても頼りになりませんでしたか?
確かにそうだけど、今ではデイサービスの人たちが母のことを一番分かっている。困ったときはデイサービスにお願いするから大丈夫よ。
デイサービスは、デイサービスに通ってなんぼ。通えなくなったら、そこで関係は終了です。
最後まで相談にのってくれるのはケアマネージャーだけです。
ケアマネージャーとの上手な付き合い方
なんの因果か分かりませんが、せっかく担当になったケアマネージャー。
信頼関係がないと相談なんてやりたくありません。
どうしてもの時は『担当の変更』という手段もありますが、
- また最初から説明
- 信頼の構築
- 次の担当とも合わないかも
担当の変更も、けっこう大変です。
だから出来るだけ担当ケアマネージャーを変更せずに、付き合っていきたいものです。
ケアマネージャーとの付き合いは長くなる
まず最初に、ケアマネージャーとの付き合いは数日では終わりません。
2~3年に渡ることは普通であり、長い場合では10年以上担当することもあります。
最初は父のケアマネージャーだったけど、数年後から母の担当にもなってもらった。
なんてことは珍しい話ではありません。
そしてケアマネージャーの方から提供拒否ができないようにも決められています。
だから利用者の方から契約解除を行なったり、長期入院や施設入所をしない限り、ケアマネージャーは永遠と付いて回らなければいけません。
ケアマネージャーの意見に耳を傾ける
ショートが使えないなんて、困るわー。
空いてなかったんですよね。
そう言われても仕事もあるし、なんとか探してくださいよ。
探しますけど、担当者会議とかは出席してくださいよ。
ここはあまり母に合わなそうな施設ですね、無理!
えーーーーー!?
こんな家族は、すでにケアマネ事業所の中でモンスターチルドレン(モンチル)とあだ名がつけられています。
ケアマネの方から提供拒否はできませんが、人事移動を理由に、事業所内で担当変更されられるかもしれません。
自分の意見ばかりいう家族はすでに煙たがられているかもしれませんよ。
自分たちの意見もハッキリ言う
ケアマネージャーの提案に、ダメなものはダメと言いましょう。
いつだって、最終的に決定するのは利用者や家族です。ケアマネージャーではありません。
ケアマネージャーは提案材料を、紹介するだけです。
何も言わなければ、『満足しているんだな』『安定しているんだな』で今月の訪問は終わります。
まとめ
ケアマネージャーの役割
- ケアプラン作成
- 請求が間違えていないか確認
- サービスの調整
- 介護認定の手続き
今回紹介したケアマネージャーの役割はほんの一部です。
サービス調整の中には、『えっ!?これがケアマネージャーの仕事!?』なんてこともあります。
とは言え、1カ月のほとんどの時間は、相談を受けてサービス調整を行なっています。
特に離れて暮らす家族にとっては、ケアマネージャーの相談業務は欠かせない役割をもっています。
対面で会えなくても、しっかり連絡を取り合うようにしましょう。
みなさんはケアマネージャーと、どのように付き合っていますか?