お宅のケアマネージャーを変更してほしい。お世話になり始めた当初から相性が悪いとは思っていた。介護だけでも大変なのにケアマネージャーにまで振り回されたくない。
月に1回来てくれるのも苦痛…
だけど私がこんなふうに考えているとは思われたくない。将来そちらの施設にお世話(入所)になるかもしれないのでケンカ別れは望んでいない。
今回の相談は娘さんがデイサービスの職員さんに相談し、デイサービスから私の方にお話をいただきました。
私は担当ケアマネージャーの代わりに家族から話を聞き、どのような選択肢があるのかを伝えました。
- 現ケアマネージャーの継続
- 私が担当のケアマネージャーとなる
- 他の居宅介護支援事業所の紹介(引き継ぎは私がやる)
家族が選んだ答えは【2.私がケアマネージャーとなる】でした。
さて今回のケースをまとめると
- いつ?→デイサービス送迎時
- どこで→自宅で
- 誰に?→デイサービスの職員に
- 何を?→担当ケアマネージャーを変更したい
家族が出した結論は、
居宅介護支援事業所内でのケアマネージャーの変更。
今回のケースのように信頼するデイサービス職員さんが身近にいて、担当ケアマネージャーではない私に相談してくれたので、家族の希望通りに話を終えることができました。
しかし誰もが相談できる相手がいるとは限りません。
この記事では、ケンカ別れなく穏便にケアマネージャーを変更する方法を解説します。
今の担当ケアマネージャーに不信感を持っている人は、是非最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
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ケアマネージャーの変更は誰に相談する
担当ケアマネージャーに向かって、『あなた、担当を代わってくれない?』とは言いにくいですよね。
そこで最初に考える悩みが、『誰に』相談するかです。
担当ケアマネージャーが在籍している居宅介護支援事業所
いやいや、担当ケアマネージャーに相談しにくいって。
具体的には居宅介護支援事業所の管理者に相談します。
管理者に相談するメリット
- 話を聞いてくれる
- 将来のお客様として丁寧に対応
- スッキリする
管理者=責任者とイメージしてください。
介護業界に限らず、苦情はその部署の責任者に伝えませんか?
一般社員であるケアマネージャーに比べて、管理者は法人運営にも関わっているためお客様の声を真摯に受け止めてくれます。
いずれにしろ、どこの誰に相談しても必ず管理者の耳に入ります。それならばご自分の口で直接話をした方が、想いを正確に伝えれます。
介護サービス事業所
デイサービスや訪問介護などの介護サービス事業所に相談するのも良いでしょう。
ケアマネージャーよりも会う頻度が多いので、話をしやすいメリットがあります。
ではこの場合、どのように情報が流れていくか見ていきましょう。
このように途中でケアマネージャーに話が漏れることはありません。
地域包括支援センター
市町村に設置されている地域包括支援センターは困難事例や総合相談も行っているので、相談に行ってもよいでしょう。
ただし私の経験上、あまりおすすめできる相談所ではありません。
理由はこの通り
- 本当の第三者であり、感情論をどこまで理解してもらえるか
- 大ごとになり兼ねない
居宅介護支援事業所にとって地域包括支援センターは『目の上のたんこぶ』『なぜか上司ぶっている』という存在です。地域包括支援センターが割り込んでくると、ケアマネージャーの感情を逆撫でしかねません。
質問者さんのように『ケンカ別れしたくない』『揉めたくない』という想いがあるのなら、できれば避けておきたい相談所です。
他の居宅介護支援事業所
『次のケアマネージャーは〇〇居宅介護支援事業所に担当してもらいたい』と決めているのであれば他の居宅介護支援事業所に相談に行くのもよいでしょう。
情報の流れは地域包括支援センターのケースと似ていますが、この点が違います。
- どちらにしろ他の居宅介護支援事業所を探すので丁度よい
- 包括支援センターが入っていない
ケンカ別れなくケアマネージャーを変更
ケアマネージャーを変更した後も、困ったときは相談にのってもらうこともあるかも。法人とは良好な関係であることが望ましいですね。
そのためには自分の想いを率直に伝え、管理者に理解してもらうことです。
想いを伝える
率直に自分の想いを伝えましょう。
今回の相談ケースの場合、
『担当ケアマネージャーは変更したいけど、ケンカ別れは望んでいない』という想いですね。
そこまで言ってくれたら、管理者は
申し訳ない、想いを汲み取らなければいけない。
出来る限り丸く収まるような対応を取ってもらえます。
変更の理由にウソをつかない
ケアマネージャーを気遣ってウソをつく必要はありません。
遠回しに相談すれば家族の想いが伝わらずに、『ケアマネ継続』なんてことに成りかねません。
ケアマネージャーの変更の理由は、『合わない』がほとんどの理由です。
堂々と本音を伝えましょう!
終わったことを陰口しない
あそこのケアマネージャーは嫌いだから変更してもらったわ。
なんてあちこちで言いまわしていると、たちまちに元ケアマネージャーの耳に入ってしまい、いつしかモンチル(モンスターチルドレン)と呼ばれていることも…。
終わったことは清算して、それ以上は触れない、喋らないようにすることが、ケンカ別れとならないコツです。
変更を申し出するとケアマネージャーに悪いと思うかもしれませんが、それは間違いの場合があります。
実はケアマネージャーも家族の想いに気付いている場合が多く、『やっぱりね』『変更してもらってよかった』なんて考えているケアマネージャーも少なくありません。
ケアマネージャーを変更しても、介護サービスは今まで通り受けたい
ケアマネージャーの変更と介護サービスはあまり関係がありませんので、今まで通り介護サービスは続けれます。
ただし、場合によっては簡単な手続きや会議が行なわれることがありますので、留意しておきましょう。
ケアマネージャーの変更の手続き
居宅介護支援事業所内でのケアマネージャー変更なら手続きは何もありません。何事もなかったかのように今まで通り介護サービスを利用して構いません。
居宅介護支援事業所の変更手続き
他の居宅介護支援事業所のケアマネージャーに変更した場合は、『居宅変更届』と『担当者会議』を行ないます。
とはいえ、それらの手続きは新しい担当ケアマネージャーが行ってくれるので、家族の方は担当者会議に出席するだけです。
ケアマネジャーを変更する心理として、『困っているのに話を聞いてくれない』と不満に思っていることも多いです。
例えば
- デイサービスを増やしてほしい
- お金が厳しいから車椅子を返却したいのに…
心機一転して、新しい担当ケアマネージャーには困っていることをしっかり伝えて、ケアプランに反映してもらうことが重要です。
ケアマネージャーの選び方
ケアマネージャーの変更を伝えたけど、次のケアマネージャーはどのようにして選びますか?
相性の問題もありますが、出来るだけ自分達が求めている人材に担当になってもらいたいものです。
専門性から選ぶ
ケアマネージャーになる前のベース資格で、得意とする専門性が違います。
- 看護師→医療分野に強い(薬の作用なども教えてくれる)
- 介護士→介護分野に強い(介護のテクニックなども教えてくれる)
他にも、
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士含む)、精神保健福祉士
これらのベース資格を持っている人がケアマネージャーとして働いていますが、大半を占めるのが介護福祉士と看護師、准看護師です。
一見、看護師が良さそうな気がしますが、そうとも限りません。
看護師目線だけで物事を言われると、まるで病院に入院しているようなガチガチな生活になります。
この薬は副作用があるので、あれもダメ。これもダメ。何もかもダメ。
逆に介護士資格のケアマネージャーが優しい言葉使いで生活を重視したケアプランを作ってくれても、医療知識に強いかと言えばそうでもありません。
お酒好きなんですね。飲み過ぎずにほどほどにね。
薬は…(難しい…)
要は専門性を活かしつつも、バランスが取れたケアマネージャーを選ぶことが大切です。
運営法人から選ぶ
居宅介護支援事業所をどんな法人が運営しているかでケアマネージメント力も変わります。
- 医療法人が経営→医師との連携が取りやすいなど
- 社会福祉法人、その他の会社→デイサービスや施設など、他の事業も運営
- 独立型→しがらみがない分、公平な目線でマネジメント
ちなみに私は独立型で働いています。
評判からケアマネージャーを選ぶ
- 知人の担当ケアマネージャー
- 法人の口コミ
口コミがよければ確かの地域の評判は良いのだと思います。
また知り合いがケアマネジャーであれば、頼りになりますよね。
だけど、実際に担当ケアマネージャーになってもらわないと見えないことがあることは承知しておきましょう。
まとめ(ケアマネージャーの変更)
ケンカ別れなくケアマネージャーを変更するためには、誰にどのように相談するかが重要です。
誰に?
- 担当ケアマネージャーが在籍している居宅介護支援事業所
- 介護サービス事業所
- 地域包括支援センター
- 他の居宅介護支援事業所
どのように相談する?
- 想いを伝える
- 変更の理由にウソをつかない
- 終わったことを陰口しない
初めて介護に困ったときに相談に乗ってもらったケアマネージャー。付き合いの年数が長ければ利用者のこと、家族構成などを一番知っています。担当ケアマネージャーを変更すれば、また最初からやり直しなので多少の手間にはなります。
だけど、いざ困ったときに相談できないケアマネージャーであれば、困るのは家族です。
変更には大なり小なりのストレスとなるかもしれませんが、この記事を参考にしていただけたら嬉しいです。
ちなみにケアマネージャーの役割についてもう少し知りたい人は『 ケアマネージャーの役割って何?。離れて暮らす家族ほど知っておくこと 』でわかりやすく解説していますので、よければ参考にしてください。