5年前に必死に頑張ってケアマネージャーの資格を取った。
晴れてケアマネージャーになったけど、何かが違う…。
- 資格手当は10,000円から20,000円に上がった
- 介護職員処遇改善加算がもらえなくなった
- 仕事量は膨大に増えた
- 周りの介護士はどんどん給料が上がっている
なにかがおかしくね?
こんにちは、主任ケアマネジャーの麦マネです。
これは私も悩んでいるし、全国のケアマネージャーの悩みでもあります。
別にケアマネージャーの給料が下がっているわけではありません。
介護士の給料ばかり優遇されて上昇しているだけの話なのです。
そして『 介護保険の要 』であるケアマネージャーが蚊帳の外になっているから、みんなで問題視していることなのです。
ケアマネージャーとして働いている人は今後の身に振り方をどうしますか?男性は生計を立てれていますか?
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介護士とケアマネージャーの給料が逆転?
あれ、介護士の給料が高くなっている。
俺はケアマネジャーだよ??
こんな経験や噂を聞いたことがあるケアマネージャーは多いと思います。
残念ながら、これは事実であり、逆転もしくわ同等まで介護士の給料水準は上がっています。
どちらが偉いとかではなく、ケアマネージャーの資格を保有するということは、大変な労力や業務、責任感をもっているので、つい比較してしまいがちです。
ケアマネージャーの給料の実態
厚生労働省の平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果によれば、ケアマネージャーの基本給は217,690円、介護士の基本給は181,290円となっています。
ここまではケアマネージャーが勝っていると思いがちなのですが、手当では介護士に有利に働いています。
介護士がもらえる手当の例
- 資格手当
- 夜勤手当
- 通勤手当
- 処遇改善加算
結構いろんな手当がもらえますね。一方でケアマネージャーはというと…
ケアマネージャーがもらえる手当の例
- 資格手当
- 通勤手当
だけ…??
だけです(笑)
ひと昔前までは夜勤手当だけの差だったので、そこまで気にならなかったのですが、処遇改善加算ができてからは、雲行きはあやしくなりました。
処遇改善加算の種類にもよりますが、1~4万円相当の手当が介護士の給料を底上げしています。
ケアマネージャーの給料が上がらない仕組み
そもそもケアマネージャーの事業所は赤字経営です。
なぜ赤字なのか?収入の仕組みはこんな感じです。
- 要介護1・2の支援費は10,420円
- 要介護3~5の支援費は13.530円
要介護1・2を17人、要介護3~5を17人の担当をやった場合は
10,420×17+13,530×17=407,150円
たった40万円しか稼ぐことができないのです。
ここから給料、社会保険料、車両費、パソコンなどの事務費、もろもろを支払っていたら、何も残りません。
むしろマイナスです。
担当件数を多く持てばよいのでは?
担当数は35人を標準として、最高で39人までしか担当を持てません。
それどころか、業務量が多すぎて35人担当するだけでも精一杯な状況です。
そしたら、国の偉い人たちはこう言います。
特定事業所加算を取ればよいじゃないか。
確かに特定事業所加算を取れればよいのですが、ケアマネの成り手が不足しているので、加算を取得する体勢が作れないのです。
結局、ケアマネージャーの事業としては赤字だけど、同じ法人のデイサービスなどに利用者を紹介させるスケベ心で、ケアマネージャーの首をつないでいる状況です。
居宅と施設ケアマネージャー、どっちが給料高い?
結論からいえば、施設ケアマネージャーが給料は高い傾向です。
- 介護職員と兼務している場合がある
- 夜勤手当や当直手当がもらえる
ケアプラン作成が本業でありながらも、介護士と同じように入浴介助や夜勤をやることもあります。
そうなれば、処遇改善加算や夜勤手当もしくわ当直手当などをもらえる場合があります。
結局は経営者のさじ加減ですが、手当に該当する業務を行なっているのは事実です。
同じ会社の中で『ケアマネだけもらえない…』なんて空気感を作れば、施設ケアマネージャーを辞める人も出てきます。
だから居宅よりも施設のケアマネージャーが給料面で有利といえます。
ケアマネ処遇改善加算の行方は?
さて、ケアマネージャーの処遇に対して、全国のケアマネージャーは指を加えて黙ってばかりではありません。
ちゃんと自分たちの意思表示をやっています。
『ケアマネージャーを辞める』という意思表示で…。
噂はあるが進展していない
ケアマネ処遇改善加算は、介護報酬改定の度に期待されていました。
『今度の改定でこそ…』『今度こそ…』
だけど国の偉い人たちに声が届かず、既読スルーされまくりの過去があります。
それどころか、
報酬を数10円上げます。代わりにこれもやってください。
口を開けば、
ケアマネージャーは質を向上させなければいけない。
もうケアマネは絶望です。
ケアマネなんてやってられるか!
みんな『ケアマネ卒業』という形で去っていきました。チーン(´;ω;`)ウゥゥ
2021介護報酬改定でも、目玉?として取り上げられていますが、果たしてどのような結果に落ち着くのでしょうか…。
過去は繰り返されるという名言があります。
介護士の処遇改善加算の現状と今後
介護士に配分される介護職員処遇改善加算に加えて、特定処遇改善加算も上乗せされるようになり、介護士の給料は過去10年前と比べると5~8万円の給料がアップしています。
まさに介護士が働きやすい環境となってきました。
しかし、これから10年後に更に5~8万円のアップが期待できるかといえば、それは違います。
人材不足とはいえ、財源にも限りがあるのが事実です。
微力な給料アップは期待できても、期待しすぎには注意です。
いづれにしても介護士として働きやすくなったことには間違いありません。
ケアマネージャーとして今後も働くのか?
散々ケアマネージャーをディスってきましたが、実際ケアマネージャーを離れるには覚悟がいります。
とはいえ、今後もケアマネージャーとして働くのかと聞かれたら、『イエス』と自信を持って答えれません。
介護士に戻れるプライドはあるのか?
給料がどうであれ、制度上でも、実際の現場でも、ケアマネージャーは介護保険の中心にいます。
困ったときは『ケアマネさ~ん』と、介護現場からも利用者や家族からも頼られる存在です。
それらを捨てて、いち介護士に戻るプライドはありますか?
死ぬほど勉強して取ったケアマネージャーの資格を捨てて、また入浴介護などができますか?
ちなみに私はそれが出来ないので、社会福祉士の資格をとりました。
ケアマネージャーを辞めても、現場に戻る気はまったくありません。
更新研修に耐えられるか?
ケアマネージャーの資格を活かすかぎり、5年に1度の更新研修は避けられません。
- 研修費用が高い
- 業務の合間に長時間の拘束が厳しい
- 他人の事例検討ばかりで、何の役に立たない
更新研修が苦痛であるケアマネージャーは山ほどいます。
無意味な研修に、お金と時間だけを浪費しているからです。
会社によっては自腹で研修費用をだして、有給を使って研修を受けるケアマネージャーもいます。
ケアマネージャーとして働く限りは、更新研修は避けられないのに、問題が山積みです。
業務量、責任感を持ち続けれるか?
『あの書類も作らないと』『減算が怖い』『民生委員や病院と連携を』『ケアマネージャーに相談してみたら』『孤独死』『ゴミ屋敷』
もううんざりです!
最終的には『担当ケアマネージャーがいたのに…』なんて地域ケア会議で言われたら、もう泣くしかありません。
高齢者が支えるために仕事をしているハズなのに、度を行き過ぎています!!!
『ケアマネージャーのバーンアウトを防ぐ』なんて格好よく言われても、その研修を受ける時間そのものがバーンアウトです。
まとめ
過去を振り返ると介護士の給料は増えているのに、ケアマネージャーの給料は据え置きで蚊帳の外にいます。
そう考えてしまう背景には、『同じ介護業界で働いているのに…』『制度の要として働いているのに…』、そんな想いがあります。
そして研修のたびに洗脳される『責任』と『ケアマネの資質向上』。
やりがいやスキルアップのために、ケアマネを目指した人は過去の話。
それでも、ケアマネ処遇改善加算を期待して残っている人もいるでしょう。
だけど、私たちはケアマネージャーです。
介護保険の財政が厳しいことも知っているし、ケアマネ処遇改善加算が作られたら財源はいったいどこから捻出されるかも考えます。
結局、一時期の収入増は将来の借金でしかありません。
とはいえ、このままケアマネージャーの給料が据え置きでは、確実に後継者は生まれないし、現役ケアマネージャーも去っていくのは確実です。
2021年の介護報酬改正がどうなるか注目です。