こんにちは、ケアマネの麦マネです。
先日、こんな相談を受けました。
母の主治医から介護認定の申請をすすめられました。
もうすぐ退院するのですが、今までとあまり変わらないし、介護は必要なさそう。
友達の親はデイサービスに行ってるけど、うちの親はそんなタイプじゃないし…。
介護認定を受けるメリットを教えてください。
周りから介護認定の手続きをすすめられたけど、迷っているんですね。
結論から言いますと、
元気であれば、介護認定のメリットは少ない。
ピンチになったときに、介護認定を受ければよい!
そんなふうに考えます。
とはいえ、どんなメリットがあるのか気になると思います。
※当サイトは、アフィリエイトプログラムに参加しています。記事内容は公平さを心がけています。
介護認定を受けるメリット
- 住宅を改修、介護用品の購入
- 低価格で介護を受けられる
介護認定を受けることで、さまざまな介護サービスをつかえるようになります。
介護認定が大きいほど介護サービスはたくさん使えます。
逆にいえば、元気な人ほど、使える介護サービスの量が少ないと言えます。
住宅を改修、介護用品の購入
元気な人に人気がある介護サービスです。
介護認定を使って、自宅の環境整備を行います。
住宅を改修する
圧倒的に多いのは、手すりの取付工事。
浴室、柱、玄関など。
手すりがあるだけで、立ち座わり、段差を上がったりの動作が楽になり、転倒を予防できます。
他にはどんな改修があるの?
- 手すりの取り付け
- スロープ取り付け
- 滑りにくい床材へ変更
- 引き戸などへ扉の取り換え
- 洋式便器などへ便器の取り換え
いろいろありますが、手すりの取り付けが圧倒的に多いです。
金額はどれくらい?
最大20万円を上限に住宅改修が使えます。
1割負担の人であれば最大18万円までは保険給付、それ以上は手出し。
具体的な金額はこんな感じ。
浴室に手すりを2本つけた場合
手すり2本で20000円
工賃 5000円
計25000円
1割負担の場合は、手出しは2500円。
すごい、バーゲン!
ただし、生涯使えるのも20万円まで(3段階上がればリセット)です。
適当に使えば、本当に必要なときに使えなくなるかもしれません。
介護用品の購入
圧倒的に多いのがシャワーチェアーです。
シャワーチェア[ユクリア]ミドルSPおりたたみN PN-L41721D オレンジ市販の入浴座椅子より、立ったり座ったりが楽になる商品です。
他にもポータブルトイレなどもありますが、元気な人には向いている商品ではありません。
こちらも1割~3割負担で購入できます。
例えばシャワーチェアーであれば3000円程度で購入ができます。
このように、元気な人は、補助的な道具があれば自立できるので、住宅改修を目的に介護認定を受ける人は多いのです。
低価格で介護を受けられる
お手伝いさんとヘルパーを一緒にするのは誤解ですが、分かりやすいので例に出します。
お手伝いさんを雇うと、時給2000円くらい給料を払わなければいけないでしょうか?
介護保険の訪問介護を使えば、1時間あたり300~500円ぐらいです。
目的は違えど、介護保険はかなり安いと言えます。
介護認定を受けるデメリット
人によっては介護認定を受けると、デメリットになることもあります。
私が考えるデメリットは以下の通りです。
- 介護認定を受ける手間がかる
- 自由度がなくなる
- 自立向けのサービスが受けられない
介護認定を受ける手間がかる
介護認定を受けるには主に2つの手間がかかります。
- 認定調査
- 主治医意見書作成
認定調査は約1時間、主治医意見書は病院に提出しなければいけません。
半日あれば終わることですが、家族が付き添うには仕事も休まなければいけません。
介護保険を使うか使わないか分からないのに、仕事を休んでまでやることかな?と疑問に思います。
自由度がなくなる
私の意見としては、これが最大のデメリットです。
最初に言っておきますが私はケアマネです。ちなみに主任ケアマネの資格も持っています。
では解説します。
介護サービスを使うのであれば担当ケアマネが付きます。
毎月、1回は自宅にやってきます。
『体調はどうですか?』『薬は飲めてますか?』『デイは行けてますか?』
色んなことを質問されて、少しみだらな生活を送ると、医者にチクったり…
最終的には地域ケア会議という場所で、勝手に事例検討会の材料にされたり(もちろん、匿名)。
もう一度言いますが、私はケアマネです。
でも私が元気な利用者であれば『放っておいてくれ!』
間違いなく叫びますね!
自立向けのサービスが受けられない
これは市町村によって違うのかもしれませんが、市町村によっては介護認定を持っていない人が通うデイサービスのようなものがあります。
文字通り、要介護や要支援になるのを予防するための市町村の事業です。
ほとんどの場合、これらには介護(要支援)の認定が下りたら、通うことができなくなります。
介護認定を受けたばかりに、楽しみにしていたサービスが使えなくなるかもしれません。
どのタイミングで介護認定をうける?
住宅改修以外は、メリットもデメリットもあまりないことが分かったわ。
無理して介護認定を受ける必要はありませんね。
今は介護認定は必要なさそうだけど、いつ認定を受けたらよいの?
介護認定を受けるタイミングは以下の通りです。
- 一人で動けなくなった
- 物忘れがでてきた
- 本人が望んでいる
一人で動けなくなった
高齢者は入院をきっかけに、一人で動けなくなることが多いです。
重度の方はそのまま入所することもあります。
ある程度動けるまで回復した人は、住宅改修を目的に介護認定を受ける人も多いです。
物忘れがでてきた
物忘れが出ると、日常生活に狂いでてきます。
薬の飲み忘れ、留守番ができない、意欲の低下など…
ぼー…
このままじゃ本格的にボケちゃう…
軽度の物忘れでも、介護認定が下りる可能性は十分にあります。
デイサービスを目的に介護認定を受けてみましょう。
本人が望んでいる
本人が望むのであれば、介護認定を受けるべきです。
むしろチャンスです。
介護サービスに拒否的な高齢者は多いからです。
介護なんて必要ない!人の世話にならん!!
気が変わらないうちに、介護認定を受けて、介護サービスに繋げておきましょう。
まとめ
元気なら、介護認定を受けるメリットはありません。
住宅改修は役に立ちそうですが、将来のことを考えると注意が必要です。
下手に介護保険に頼るより、ゲートボールや脳トレでもやってたほうがよっぽど元気になりますよ。
周りに流されなくても、大丈夫です。
自分たちのペースでいきましょう(^^♪