私は市町村からの委託業務として月に5~7件ぐらい認定調査を行っています。
5分程度話をしたり、体の動きをみればかなりの確率で要介護認定を当てることができます。
認定調査ではオーバーリアクションで困っている感をだす人もいれば、困っているハズなのに何も話さない人もおり、本当に対応はさまざまです。
ここで質問ですが、認定調査前に担当ケアマネに何か言われませんでしたか?
担当ケアマネさんに『大袈裟に言わないといけない!』と言われて・・・
よくある話ですね。
しかし自分でも整理がつかないくらいマシンガントークしていませんか?
今回の記事では、認定調査にはどのような立合い方が必要かを調査員の立場から解説していきます。
認定調査の流れについてはこちらで解説しています。
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認定調査員が確認する項目とは
1群 | 麻痺の有無 拘縮の有無 寝返り 起き上がり 座位保持 両足立位保持 歩行 立ち上がり 片足立位 洗身 爪切り 視力 聴力 |
2群 | 移乗 移動 えん下 食事摂取 排尿 排便 口腔清潔 洗顔 整髪 上衣着脱 ズボン着脱 外出頻度 |
3群 | 意思伝達 日課の理解 生年月日を言える 短期記憶障害 自分の名前を言える 季節の理解 場所の理解 徘徊 外出して戻れない |
4群 | 被害妄想 作話 感情不安定 昼夜逆転 同じ話をする 大声を出す 介護抵抗 落ち着きない 外に出たがる 収集癖 物を壊す ひどい物忘れ 独り言、独り笑い 自分勝手な行動 話がまとまらない |
5群 | 薬の内服方法 金銭管理 日常の意思決定 集団への不適応 買物 調理 |
他 | 障害高齢者の日常生活自立度 認知症高齢者の日常生活自立度 14日以内に受けた医療 |
調査員はこれだけの項目を確認しなければいけません。
「出来る・出来ない」だけでなく、「出来ない」のであれば「どのように介助しているか」などの視点でも確認しています。
認定調査員側で一番大変なこととは
調査をおこなっていると話がズレていき、話があっちこっちに飛んでしまいがちです。
ズボンの着脱は一人でできますか?
トイレでは自分でこうやって降ろすよ。
でも風呂の時はこうやって脱いで、体を洗って、湯船に入る。
その時の血圧が高くてこの前入院したんじゃよ。
そのときの医者の対応が・・・
~解説~
ズボン着脱の質問が、いつの間にか医者の話に飛んでいますね。
こうなってしまったら、話を元の路線に戻すのに5分かかります。
立会者の方ではこんなことも起こりやすいです。
おじいさんは季節の理解はしていますか?
父は春夏秋冬ぐらいは分かっていると思いますよ。
でもね、この頃昼と夜の区別が付かずにいつも昼間寝ているの。
そしたら夜は起きてるでしょ?
もう夜中徘徊で一人で外に出ていこうとして目が離せない。
もう大変!
~解説~
【季節の理解】の質問をしたのに、
【昼夜逆転】【徘徊】【外に出たがる】の質問に該当しそうな答えまで返ってきました。
立会者の方は「あれも言わないと、これも言わないと」と思っての説明であることは分かります。
しかし調査員はメモを取るのに必死で、立ち合い者の説明が1/2も頭に入りません。
そして調査内容の入力では矛盾だらけで全くまとまりません。
私の地域では審査会の前に介護保険事務所より調査の確認連絡があります。
ここの場面では〇〇ですけど、ここの場面を想定すると大丈夫そうですね。
では【全介助】から【自立】に変更します。
調査票をしっかりまとめる事が出来なければ反論も出来ません。
認定の結果に影響がでることもあるのかもしれません。
認定調査は一問一答がよい
「家族の立会い」「言い忘れないようにメモ」は必須条件です。
立会者のメモの内容は、調査員の質問内容に順を追って答えていれば、どこかしらの項目で答えれる質問がきます。
最後まで、その質問が来なければメモ内容を調査員に伝えれば、ちゃんと話を聞いてくれます。
調査員の1つの質問に2~3の答えはいらず、1つの答えを返すのがベストです。
この方法が調査員側としては一番聞き取りやすい方法であると私は実感しているため、調査される側の参考になればと思います。
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